夢を叶えたいと思う施主さんがいて、信頼し合える職人たちがいて、あとは大好きな木材と土を使って家を建てることができること。それがベストだと思っています。
その上で、より良い家を建てる大工でありたい。そうなると建築の工法だとか、木材の良し悪しだとか、土の寝かせ具合だとか、いろいろなことへのこだわりが出てきます。
現代では、家を建てるのもコンピュータ化、システム化が進み、より機械化が進んでします。それで良い家が簡単に建つのであれば、その方がいいに決まっています。
しかし、大匠樋口建築が考える「良い家」はそれだけでは建ちません。職人の匠な技や材料へのこだわりがあってこそ「良い家」が建つと考えています。自動化が進む時代にあって尚、職人たちの「手で造る家」を止めない理由はそこにあります。
昔ながらの伝統構法に固執するつもりは決してありません。ただ、この日本で良い家を造ろうとするとき、先人たちが磨いてきた日本の風土や文化に合う技を使うのが一番の近道であり、道理に適っている建て方だと思います。
大匠樋口建築は、「だから伝統構法を用いる」。とてもシンプルな考え方です。
木造建築において、大きく分けて「伝統工法」と「在来工法(ざいらいこうほう)」があります。
「伝統工法」と「在来工法」には建築基準法により、明確に定義があります。
伝統工法とは、壁量に頼らず、建物の結合部などに金物を使わず、木の特性を活かす仕口、継ぎ手でくみ上げて家を建てる工法で、壁に力を求めず単なる間仕切りと考え、大きな木を柱と梁として力強く組み合わせることによって地震の際には建物全体がわずかに変形し、揺れを吸収・受け流す働きを可能としています。
在来工法とは、伝統工法との大きな違いは、結合部にボルトやプレートなどの金物を使い、柱同士を強固に固定した工法で、壁面に筋交いと呼ばれる斜めの部材を通しているのも大きな特長です。コンクリート立ち上げ基礎に緊結し、耐力は壁量に頼ります。
大匠樋口建築は、すべての木材を手で刻み、組み上げる伝統構法を基本的に用いますが、場所によっては金具やボルトを併用する場合もあります。それは、そこに住まう人がより快適に安心して住める家づくりを目指しているから。日本の住まいは、長年にわたり受け継がれて来た型があり、それに居住性・現代性を求め、現代の住まいにマッチした住まいをご提供いたします。
私たちが住んでいる日本では、地震災害から逃れることができません。住まう上で地震や災害とどう向き合うか、昔の人の知恵を借りながら、より安心した家づくりを大匠樋口建築はご提案いたします。
伝統工法は、柱の結合部がボルトなどの金物で固定されていないため、地震の際には建物全体がわずかに変形し、揺れを吸収・受け流す働きを可能としています。地震のエネルギーを受け流す構造が特徴の伝統工法ですので、揺れの際には壁にヒビが入ったり、瓦が落下したりすることがありますが、揺れのエネルギーが建物の許容範囲を超えた場合でも、建物は大きく歪んだりすすものの、全壊倒壊しにくい特徴があります。
いっぽう在来工法は、結合部にボルトやプレートなどの金物を使い、柱同士を強固に固定し、壁面に筋交いと呼ばれる斜めの部材を通して地震の揺れには構造の堅牢さで真っ向から抵抗するのが特徴です。故に揺れの衝撃を受け流さず、受け止め耐える構造は、揺れのエネルギーが建物の抵抗力を上回ると一気に倒壊するリスクもある構造でもあります。
大匠樋口建築では、伝統工法を基に在来工法の良いところを取り入れ、建物が耐えうる許容範囲を上げるより耐震性の強い家をご提供しております。
手刻みで家を建てるということ。
機械で加工(プレカット)した木材を使用するのではなく、木材1本1本を大工が墨付けをし、鉋(カンナ)で削り、鑿(ノミ)などを使い木の継手や仕口を彫っていきます。
継手や仕口は、柱と桁を組み合わせる接合部分がとても重要となります。
木の素性を読取り適材適所に配置を行います。木と木を組合わせるとき、どこでどう継ぐのか、どんな仕口にすればいいのか。それらを考え墨を打ちます。
伝統構法の一つとして土壁があります。本格的な土壁の家を考えるとき、下地はやはり竹小舞になります。
竹小舞とは、割った竹を縦横に組み、シュロ縄で編んだ壁下地を言います。
竹には「切り旬」というものがあり、竹が栄養分を吸い上げない限られた時期に切ることで、いい材料が得られると言われています。竹自体の厚みにしても、職人が地元の山から時期を見て切り出したものは、シッカリと肉厚でいいものが揃います。
そんなふうにこだわっても、建築の資材としては格別高額なものではありません。いい土壁をつくるために、これもこだわりのひとつです。
土壁ってどういったイメージがありますか?
土壁は高価なものと考えられているようですが、決して高価なもの、特別なものと思わないでください。
土壁の材料は土と藁(わら)。土はどこにでもありますし、藁だって特に珍しくもない。ただ、それを壁にするには職人の技術や手間が掛かりますから、その分の費用は必要ですが、他の工法でも壁は必要ですので、材料費や人件費も掛かります。土壁だからと言って他の建築方法と比べて何ら高価だなんてことはありません。だって昔の家はみな土壁で建てていた訳ですからね。
土壁の工程は「竹小舞」→「 荒壁」→「大直し」→「中塗り」→「仕上げ」と進み完成です。
とても手間のかかる工程ですが、その手間こそが良い土壁を造るための手段です。竹小舞下地の両面に藁を加えた粘土質の土を押し込むように塗り、荒壁を仕上げます。竹小舞を芯にして、表と裏の土が一体となる頑丈な下地を目指します。
良い荒壁の条件はシッカリ乾燥していること。乾燥の収縮によってできた周囲の隙間と深いひび割れは、無骨で頼りになる荒壁の印です。
やはり何といっても最大のメリットは調湿効果だと思います。一年を通して、適度に一定の湿度を保ってくれる。夏は湿気を吸い込み、冬は湿気を放出します。従って夏は屋内の空気がサラッとして涼しく感じ、冬はしっとりして暖かく感じます。また、結露もほとんど無いようです。これまで施工させていただいたお宅の方は皆さんそうお話しされます。
また、壁には屋内と屋外の空気をゆっくり入れ換える機能もあります。そう、土壁が息をするように汚れた空気を吐き出し、新鮮な空気を取り込むが如く感じられるのはどれだけ新しい建材が登場しても土壁を上回るものはありません。
やはり最大のデメリットは、工程が多い分、工期が長くなることでしょうか。土壁の工程は先で説明したように各工程で土の乾燥に時間が必要です。特に荒壁ではしっかりと丈夫な壁の基礎をつくる意味でも、乾燥に十分な時間を取ることは必須なことなので、省くことの出来ないとても重要なことの一つとなります。
大匠樋口建築は三重県鈴鹿市を中心に素材と在来工法にこだわり、手刻みの健康住宅・エコ住宅・省エネ住宅など一般住宅の新築・リフォーム・増改築を行っています。
国産の木と手刻みで作る伝統工法で建てる木と土の家。日本の伝統と文化が育ててきた日本の風土に合った住まいをご提供いたします。
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